“家”で何が?
“大人の隠れ家”とか、“一軒家レストラン”とかが、雑誌なんかの見出しに躍る今日この頃ですが、なんだか“家”がダンスにも影響してる?流行ってる?
まぁ、もっとも、劇場やら美術館やら芸術作品が通常納まるべきハコを抜け出さんとする試みは、はるか以前よりあったわけです、ですがそれにしても近頃なぜか“家”?
かつて劇場以外の場所ってぇと、廃墟だとか倉庫だとか廃駅だとか、その場自体が異次元チックなとこがほとんど、で反対に"家"といえば、とことん日常なわけで、それがどう活かされてまたは異化されるのでしょうか?
興味は尽きないであります。
で、そんな"家"にまつわる、最近の報告とお知らせ。
まずは、この前の週末に行われた公演のreport
7月25日~27日 lucite gallery
折りしも私の行った日は、隅田川の花火の日。最寄り駅の浅草橋には、まだ昼間だというのに三々五々浴衣姿の男女なんかで立込み始めてる。
それを横目に見ながら、柳橋の路地に入るとまるでウソのようにひっそりとしてる。いまはそんな風情はさほど感じられないとはいえ、柳橋といえば、ずいぶんと艶っぽい場所だっただけに、意味もなくドキドキしたりしながら会場に到着。
このlucite galleryは、一丸さんという昭和初期の芸者さんが住んでいたお宅をそのままギャラリーにしたところ。期待を裏切らず素敵なたたずまいだなぁ。二階の縁の向こうには、隅田川が見渡せるなんて。
ここは、実際に人が住まっていた家なのに、その“遠い日常”へとつながることで、時間が異化されてゆくみたい。
やがて始まったパフォーマンスは、いつものおやつテーブルらしいゆるゆるとした可笑しみと、昼下がりの秘めゴトめいた妖しさの、綾なす移ろいのひととき。
この特別な“家”のもつ空気を、軽くいなしながらも、巻き込まれてみるといった試みが、功を奏していました。
つづいて、これから行われる公演のinformation
セレノグラフィカプレゼンツ 西陣・世田谷ダンスプロジェクト「短編小説」
「私の語る番ですか?」/シリトリジンギ/この小さな箱
阿比留修一×岩村原太×隅地茉歩×吉福敦子
8月9日(土)15:00、19:30/8月10日(日)15:00 StudioGOO
<今回の公演は、東京(世田谷)、京都(西陣)ともに、「家」で行います。人が住まう場所なので、人の気配に敏感です。
「家」の中の劇場は、踊っている人や見ている人の変化の微細を、そのままに映し出して空気を形造っていきます。
身じろぎするように。そこに居合わせることは、それ自体ダンスの一部です。>
セレノグラフィカが拠点にしている西陣の元ネクタイ工場、こちらはすでに6月に公演が終わり好評だったとか。
で来週の8月9日~10日に、世田谷のStudioGOOで、東京篇があります。
StudioGOOは、吉福さんが拠点にしている住宅街の中にある隠れ家的なダンススペース。
何回か私も別の催しでお邪魔したことがありますが、まるでどなたか親しい人のお宅に招かれたような、ほっとする空間。
そこらの情報誌オススメの店とかもいいけど、こんな“隠れ家”で週末をすごしてみるのも、けっこう大人の粋なんじゃないかと、ちょっとそそられる企画です。

